積雪寒冷地では、屋外施設に積雪荷重が作用したり、また凍結・融解によるコンクリート部位の劣化が進みやすかったり、融雪水等による錆が発生しやすい環境にあります。また、一部では特有の泥炭性軟弱地盤上に機場が造成されているなど、機場支持や水理的諸元の確認が必要となります。
国営土地改良事業で造成された基幹的な農業水利施設は、ダム・頭首工・用排水機場等が7,000個所(貯水池1,118箇所、用排水機場2,737箇所、その他)あり、用水路を含み再建設費ベースで約25兆円相当のストックとなっています。北海道においても、用水機場や排水機場の多くは古い時期に整備されており、老朽化が進行し、順次、更新が必要な時期を迎えるものが増えてきています。一方、用水機場や排水機場の性能低下が一様ではなく、状態監視の継続や軽微な補修や改善でまだまだ供用できるものもあり、性能を正確に調査・評価し、合理的な計画の上、更新を図ることが必要となっています。